DANCER'S COLUM
“4.29国際ダンスデー”から紐解く、バレエ400年の歴史
毎年4月29日は、国際ダンスデーとして世界中でダンスの魅力が祝われる特別な日です。これは1982年に国際演劇協会(ITI)によって制定されたもので、近代バレエの礎を築いた振付家ジャン=ジョルジュ・ノヴェールの誕生日に由来しています。
この日は、国やジャンルを越えてダンスの価値を再認識し、教育や文化としての重要性を広く伝えることを目的としています。毎年、世界的なダンサーや振付家がメッセージを発信し、劇場公演やワークショップ、学校での取り組みなど、さまざまな形でダンスが人々の生活に息づいていることが共有されます。

そんな“ダンスを祝う季節”の訪れとともに、クラシックバレエの歴史を少しだけ紐解いてみましょう。
クラシックバレエの起源は、15〜16世紀のイタリア・ルネサンス期にまで遡ります。当時の宮廷では、音楽や詩、舞踊を組み合わせた華やかな催しが行われていました。それがフランスへと渡り、やがて現在のバレエの基礎が形づくられていきます。
大きな転機となったのは17世紀フランス。太陽王として知られるルイ14世はバレエをこよなく愛し、自ら舞台に立つほどでした。彼が1661年に設立した王立舞踏アカデミーによって、バレエは宮廷の娯楽から体系化された芸術へと発展していきます。
その後、18世紀から19世紀にかけてはロシアで黄金期を迎えます。振付家マリウス・プティパのもと、「白鳥の湖」や「眠れる森の美女」など、今日まで受け継がれる名作が数多く誕生しました。
さらに20世紀初頭、1909年にパリで旗揚げされたバレエ・リュスは、音楽・美術・舞踊を融合させた革新的な舞台で、バレエを新たな次元へと押し上げます。この流れは現代の舞台芸術にも色濃く影響を与えています。
春から初夏にかけては、世界各地でバレエ公演やガラが多く開催される季節でもあります。歴史を知った上で舞台を観ると、一つひとつの動きの中に、長い年月をかけて磨かれてきた美しさが宿っていることに気づくはずです。
クラシックバレエは、遠い時代の芸術でありながら、今この瞬間も進化し続けています。ぜひこの季節、劇場に足を運び、その歴史の流れを体感してみてはいかがでしょうか。

そして私たちFDLが手がける「DEAR公演」もまた、その歴史の延長線上にあります。あえて特別なバレエ専用の床ではなく、バレエが生まれた当初のように、限られた環境の中で身体表現そのものと向き合う空間を大切にしています。磨き上げられたテクニックだけでなく、空間・音楽・人の息遣いが交わる“原点”に立ち返ることで、当時の宮廷で楽しまれていたような、生きた芸術としてのバレエをより身近に感じていただけるはずです。
DEAR公演を通して、何百年もの歴史を持つバレエの魅力を、現代の私たちの感覚で新たに体験していただけたら幸いです。